白山市藤冢神社
(ふじつかじんじゃ)
地図:美川
JR北陸本線美川から駅前の通りを西へ500メートルすすむと手取川の川岸にあたりますがその手前、美川南町ヌ168に藤冢(ふじつか)神社があります。神社の正門(山王門)は北に向いていますが、この門にある鳥居の右手石垣の北西角、最上段に几号が見られます。このうえは白壁の塀になります。
几号は石垣の積み石のひとつに彫られており「不」の記号の横棒は15センチメートル、幅3.5センチメートル、縦棒は11センチメートル、縦棒と「ハ」の字画はそれぞれ末広がりで下部は幅3センチメートル、地上高は150センチメートルあります。普通見られる几号よりもサイズが大きくなっています。
地上高が高く、かつ「不」の字がやや左下がり(1〜2度か)になっていることから、もともとこの位置ではなく他所から移設されたのではないかと神社の元宮司さん、近所にお住まいの人、近くの「石川ルーツ交流館」の職員のかたがたにお尋ねしました。元宮司さんは几号が水準点であるということを土木業者から聞いてご存知でしたが、几号が彫られた積み石が移設されたものかは不明でした。1961年(昭和36)頃、西面の石垣は全面補修、積み直されましが北西角の几号がある積み石は取替た覚えはないとのことでした。しかし、わたしが観察したところでは几号のある積み石のまわりの目地には、さほど古いとは思えないセメントが塗りこめられていました。このことから、やはりいつの時代か移設された可能性があります。また手取川に近いことから手取川にそって几号が設置されたことも考えられます。
なお神社境内、南の石段上には石川県が設置した水準点が地中枡の中にありますが蓋が堅くて確かめられませんでした。球分体のある標石だそうです。この神社がある美川は2005年(平成17)に美川町から白山市になっています。 美川町は手取川の河口に位置し古くから栄え明治初期には石川県の県庁所在地であったこともあります。